長旅においてパンツは3枚に限ります。2枚でも4枚でもダメです。
パンツは基本的には毎日洗います。ですので2枚あればやりくり出来るのですが、長旅ではトラブルに対する最低限の備えも必要というもの。例えばウンコを漏らすというのは典型的な長旅トラブルの一つ。
「いい歳してウンコなんか漏らすかよ」
なんて思っているアナタはおそらくインドに行っていないからそう言えるのです。ウンコを漏らす事なくインドを長く旅する事は不可能と言っていい程です。もしアナタの周囲のインド経験者が
「俺はインドでウンコなんて漏らしてねえよ」
と言っていたら彼は嘘をついています。インドでは野良牛のほっかほかのフンにサンダル履きのまま足を埋もれさせてしまう事のようにお漏らしはまさに日常。
「じゃあ4枚でもいいやん」
と思われるアナタ、それは間違いです。人は余裕があり過ぎる時にこそ失敗してしまうのです。
つまり
「替えのパンツ余裕あるから今日は洗わんでええか」
との慢心が招く結末、それは
「あー!!まだあると思ってたのにもうキレイなパンツ無いやん!!」
というシャワー後の絶望なのです。
「基本は毎日洗う。そしていざという時の残りの1枚」
これこそが長旅におけるパンツのベストバランス「3枚」なのです。
そのパンツ3枚理論に従って僕も3枚で旅をしていました。洗ってもすぐに乾くモンベルのパンツ。2400円という、僕にとって人生で一番高価なパンツです。
それをあろうことかマラッカ滞在中に無くしてしまいました。たぶん物干し場に干して誰かが間違って取り入れちゃったか、風で飛ばされてしまったか。
この手の高機能パンツはさすがの準先進国たるマレーシアでもおいそれと手に入るものではありません。仕方なく大型スーパーの下着売り場に行ってみました。
化学繊維製の乾き易そうなパンツも見かけました。
しかし、です。例外なくパンツは全部2枚セット、あるいは3枚セット売りだったのです。
2枚も買ってしまったら手持ちのパンツは4枚に、僕の「パンツ3枚理論」を自ら崩壊させてしまう結果になってしまいます。
失意のままスーパーを出ざるを得ませんでした。マレーシア、そしてこれから訪れるタイではよほど辛いものを食べない限り下痢の心配は少ないとはいえ、どんなトラブルが今後手ぐすね引いて待ち構えているか分かりません。
パンツ一枚売りを発見出来るまで、それこそ綱渡りのパンツ二枚体制旅が続きます。
マレーシアではよく猿を見かけますが、日本の観光地の猿と違っておとなしいのが特長。冬が無いんでおっとりしていても暮らしていけるのでしょう。
マレー人が主な客層の喫茶店にて。朝食時だけかもしれませんが、バナナの葉に包まれた軽食がテーブルに置いてあります。中を開けるとこんな感じ。添付の甘辛いココナツチリソースをかけて食べます。「おにぎり」的なポジションの食べ物かもしれません。
立派な国は白バイも立派という法則がある気がします。
これはマレーシアの白バイで一番見かける年代物のCB750ですが、どのバイクも奇麗に維持されています。あとは日本でも白バイで使われているVFR800や、カワサキの最新モデルの白バイ仕様などが見られます。
こうした標識って国や地域で特色があって楽しいものです。
安宿はだいたい二階にある事が多いみたい。一階は商店で、階段登ってそこにレセプションがあります。中華系だと「旅社」とか「旅館」が安宿という位置づけ。「旅店」もホテルのカテゴリーなんですけど、旅店だとちょっと奇麗なとこが多かったような。
商店の上にあるような安宿は、普通に旅行者やビジネスマンとかが1泊とかで泊まる宿ですが、一度だけ「売春宿」に入ってしまった事があります。というか、今さっきですけど。「〇×大酒店」と書いてあって、「大酒店」は高級ホテルの意味合いのはずですが明らかに安宿だったので入ってみるとレセプション前のソファーには若い女の子が5-6人おしゃべりしてました。
なんとなくおかしい気もしましたが、町を廻って中々安宿が見つからなかったので
「ただの旅行者だけど泊まれる?」
と聞くと
「あーダメダメ!」
とにべもなく断られました。
「深夜特急」ではペナンのこの種の売春宿にひょんな事から滞在してしまう、というシーンがありますが僕は沢木耕太郎にはなれなかったようです。