DAY16~リモン峠の鎮魂碑~

フィリピン激戦地の一つ、レイテ島リモン峠。
この丘の頂上に旧日本軍の司令部があったという。
押し寄せるアメリカ軍。退却も出来ない、降参する事も出来ない。

この丘の上から最期に見たのは、そして最期に何を思ったのだろう。

リモン峠を上りきったところに英語の看板でジャパニーズなんとかと書いてあった。
なんとかの部分は僕の知らない単語でてっきり「この道は日本の協力で作ってある」とか
そういう意味だと思って走り去ろうとした。けど、そこから上に上る階段がある。
ひょっとして、、、。自転車を停め、カメラと日本の国旗がかかった旗ざおを引き抜き
階段を駆け上がる。

あった。

鎮魂碑だ。

200m程の小高い丘の上。レイテ島の南北を結ぶ道の要衝で
遠くまで見通せるこの地は戦略上重要な場所だったのだろう。
おそらく周囲には数え切れない遺骨も散らばっているはずだ。

今はただ平和な風が吹きぬける、何もない峠。

日本国旗とフィリピン国旗の旗ざおを鎮魂碑の前に突き立て、
ヘルメットを脱ぎ右手で胸の前へ。
頭を垂れて静かに祈る。


※本日の走行は110キロほど。レイテ島を斜めに縦断した。上記の鎮魂碑はオルモックから35キロ~
40キロほどのところ。道中に鎮魂碑があるというのは聞いた事があったんだけど、
詳細は知らなかったので発見出来て幸運だった。

丘を何度か越えるルートであったが、多少慣れてきたのか思ったよりも疲れなかったように思う。
平坦な道では依然として15-6キロしか出せないが(※1)、もうコレはコレでいいかなと
思ってきた。自分は今こういうレベルなんだろうと。焦っても仕方無い。無理してスピード出せば
僕の場合膝にダメージが来る。町まで行けなければテント張ればいい。水や食べ物も問題ない。

今日、そんな割り切りが出来たようだ。

タクロバンは午後5時位に到着。レイテ島の中心都市だけあって非常に賑やか。
自転車旅行者としては賑やか過ぎると走りにくいんであんまり好ましくはないけど。

明日は橋でつながってる隣のサマール島に渡り、島を北上。
3日ほどかけて北端の港まで。


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