旅人にとっての明日という言葉。

2016/01/05 チリ・ビーニャデルマル

 

「じゃあまた明日」

 

と言って毎晩寝ていたのだけれど、10日間以上いつも一緒に夕飯食べていた仲間たちが翌日一斉に宿を出て次の目的地へと去ってしまう。

 

「また明日、というのは最後なんだな」

 

と気づいて思わず寂しい気持ちになってしまう。

 

みんなで最後の夕飯となったのはかき揚げ丼。朝から晩までここまで笑い声の絶えない日々を過ごしたのはいつ以来だったろうか。

 

一人見送り二人見送り、みんなを見送り、今日は一人。本当は僕も今日宿を出るつもりだったのだけれど、安住の地からいきなりキャンプ生活に戻るというのはあまりにも辛い。

 

「出るのは明日でいいや」

 

旅人にとって明日という言葉は寂しさでも希望でもあり、そして怠惰でもあるのだ。


概要 | プライバシーポリシー | サイトマップ
たぶん日本人初、リカンベント自転車による世界一周を綴るホームページ。